22ｘ15ｃｍ。184ページ。昭和10年に南満州鉄道経済調査会、のちの満鉄調査部が発行した「外蒙調査資料第二号」です。当時の調査会委員長であった元関東軍参謀で張作霖爆殺事件の首謀者・河本大作が緒言を寄せています。満鉄経済調査会は関東軍や満州国と結んで満蒙地域に対する作戦・占領・統治・開発のための地理・経済・文化など総合的な調査研究を請け負い、そこには河本大作をはじめ石原莞爾のブレーンだった宮崎正義や大川周明といった軍部・右翼人脈と、本土の弾圧を逃れた左翼インテリらが流れ込み、左右が入り混じった当時の日本における最先端のシンクタンクでした。本品は河本大作の指導下、左翼インテリらがソ連の研究を露文翻訳した、満鉄調査部の特徴が良く表れた一級資料と思います。また本品は陸軍経理学校研究部の蔵書印が捺され、その4年後には本書の主眼である外蒙地域を舞台としたノモンハン事件が起こっており、日本軍部の関心の重大さも物語っています。

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