※平鎮久
室町時代 平高田は平鎮教より始まり、
本作鎮久をはじめ鎮 字を通字とする刀工達が
活躍した。大友家の庇護を受け、この一門の
鎮の字は大友義鎮(宗麟)より一字賜ったものと
思われる。鎮久は豊後国で活躍した後、
戦乱の余波の為か伊予に移ったと云われる。
※庵棟、本造、茎 刃上がり栗尻、鑢目は
切でやや下がる。中切先、帽子は直調 僅かに
乱れて片側に意匠が見られる。体配美しく、
踏ん張りがある。小板目肌よく詰んで練れて冴え
細かく地景入り 鮮明に映りたつ。
刃紋は中直刃を基調とし、所々小乱れを交えて
小足、葉が入り、匂い口締まりごころに明るく
中青江の様な明るく地刃の冴えた一振り。
※研磨は国宝や文化財などの名品を研磨し、
高知県の刀剣界で指導的立場にあった高名な
鑑定家、研師であった浜田晃僖(号 自安)による
研磨であり、亡くなられてから40年程が
経ちますが委託者様の手入れの良さもあり
現在の状態を保っております。
※拵え
縁頭：頭は角製 縁は赤銅地
目貫：赤銅地 龍図
鐔：鉄地 丸形 桜 花弁透かし
鞘：黒呂塗鞘 返り角付き
切羽：金巻切羽
柄巻：革巻
ハバキ：山銅地一重
時代優品金具付属の拵えで上手く纏められ、
こちらも研磨同様に制作されてから数十年と
経っておりますが、鞘も打ち傷ひとつ無く、
保管状態の極めて良い拵えです。
現在制作しますと大変コストのかかる物で
御刀と共に大事にされたく思います。
是非ご検討宜しくお願い致します。