江戸期の、家紋蒔絵の手提げ箪笥です。画像1の摘（つ）まみ金具で江戸期か明治期か判断できます。家紋は、三つ巴紋、柏紋、方波見紋の二種類。鍵はありませんが、扉の開け閉めに支障ありません。サイズは、高さが、２３，５センチ、巾、２１センチ 奥行きが、３５，５センチ。明治の輸出漆器についての記述が、只今出品中の「別冊太陽３６暮らしの中の漆器」に掲載されています。それによると、江戸幕府の崩壊により、封建時代の大名の保護の下に発達した美術工芸は、スポンサーを失い、需要の道を絶たれて衰退の一途をたどった。明治政府は欧州で人気のある日本の美術工芸を輸出の主流とすることにより、これらの産業を守り育て、外貨獲得をしようと、明治7年、半官半民の貿易会社「起立工商会社」を設立。また政府は海外での万国博覧会参加出品し、輸出工芸の振興に努めた。ですから、余りに豪華な物は、前述したような物でしょう。本品は以上のような物ではありません。