＊緊急提言＊ルビー、サファイアの含浸処理にご注意下さい。

最近、当オークションのルビーとサファイアの出品で含浸処理石を一般の単なる加熱処理と同じであると装って出品しているものが目立って来ました。日本の鑑別団体協議会でも国際色石学会でも、単なる加熱処理は自然が与え足りなかった加熱と云う事を人が補っているだけだから、加熱処理石は天然と同等に扱う、と云うルールが決められていますが含浸処理はもともとルビー、サファイアには含まれていなかった鉛成分とガラス成分を外から持って来てキズ隠しをする為に（それも並大抵のキズ隠しではなく、キズの固まりの様な真っ白に光る原石のキズを見事に透明にしてしまいます。そしてサファイアの場合はそれプラスさらに色付けの為にコバルト成分を添加して見事なロイヤルブルーカラーに着色します）、はっきりと鉛ガラス含浸処理と云う事を明記しないといけないと決められています。さらにソーティングでも鑑別書でも・・・“天然ルビー またはサファイア ＋鉛ガラス”・・・さらに開示コメントとして・・“鉛ガラスの含浸処理が行われています。 表示重量カラットには鉛ガラスの含浸物質も含まれます”・・・と明記する事が義務付けられています。

タイ・カンチャナブリー鉱山産、色合いの素晴らしい、大きめサイズの上級品質天然ブルーサファイアです。（ちなみにタイのカンチャナブリーはあの映画・戦場に架ける橋で有名なクワイ河鉄橋のスグ近くになります。）

タイ・カンチャナブリー鉱山産のサファイアとして色の濃さが濃い方から６，５，４，３，２．．と分類して６、今回のサファイアは色の濃さとは別に、その色合いがまるでビルマ産の見事な深いロイヤルブルーカラーと見まがうかの様な見事なブルーです。本当に本物のビルマ産ロイヤルブルーカラーと瓜二つで、こんな色を目にしますと本当にあらためてカンチャナブリーサファイアにも惚れ直してしまいます。勿論、いつも私どもで書いております様に“ロイヤルブルー”と云う色名はビルマ産のサファイアにのみ与えられた敬称ですので、他の産地のサファイアがどんなにロイヤルブルーの色をしていてもそう呼ぶべきではないのです。現在、国内、国外を問わずサファイアの産地鑑別のまったく出来ない多くの鑑別業者が何でもかんでもロイヤルブルーの呼称を使い始めています。なにとぞ、ご注意下さい。