『高浮彫』の創出者として
数々の博覧会にて受賞を果たした
初代『宮川香山』の作例の中でも今作とは

非常に珍しい『瓢形』の素地に
油絵の様なタッチの『植物』の上から
エナメル彩による盛り上げの『昆虫文』が
極めて特殊な技法によって描き尽くされた

一見するだけでも何かしらの博覧会への出品作で在ろう
と言う事が容易に窺い知れます
『家宝』として後世に伝えて頂くに相応しい
最高峰の傑作品と成っております。

(時代)
明治期

(寸法)
最大高さ(29.5cm)
最大横幅(22.2cm)
　重量　(2644g)

(状態)
１００％制作時に由来する
眞葛焼特有の窯疵等は御座いますが
それ以外には後天的な傷みの無い
無疵完品レベルと成っております。

　
ダイナミックな『高浮彫』とは裏腹に
繊細なるタッチで描き尽くされた
高尚なる佇まいを御覧に成れば

今作の本質的なる生まれの違いは
極めて容易に御解り頂ける事かと想われます。

　
当店は過去の類い稀なる経験の中で
初代の作品には『高浮彫』以外も含めますと
３００点以上には携わって参りましたが

此れ程までの『大胆さ』と
『繊細さ』とが相俟った作例には
未だ嘗て一度たりとも出逢った事が御座いません。

　
薩摩系の貫入素地に栄え渡る
素晴らしいまでの色彩感覚です。

　
眞葛焼特有の見事なまでの口辺絵付けです。

　
此れ程までにもハッキリとした瓢形の在銘には
滅多に御眼に掛かる事は叶いません。

　
今作とは前所有者様によって
当代の『宮川香齋』による
『有料の箱書』が施されております。