伝肥後鐔と伝わる名作です。
まず最初に手に取った感想が非常に上品。
鉄地にくらべると風化がなく色味ともに品があります。
（下の画像に室町時代古正阿弥「素銅」の色味の参考画像も添付）
（室町時代の素銅地と比較（光芸出版透し鐔））

この図が金工が意図したのかはわかりませんが、
宇宙の真理であるトーラス状(円環透、輪環透）となります。
中央の銀杏透を引きで見れば太陽と映る。とすれば、
円環図に太陽、もはやそれは宇宙の真理。
刀装具の図には幾文学、仏閣、月や自然を描く事が殆どですが、
究極の行きつくところは同じなのかもしれません。

丸形、角耳小肉、素銅磨地、円環図透かし。
手で触ると切羽台がやや厚く、耳が薄くなり碁石やどら焼きの形状

縦80㎜ 横79.3㎜ 厚(耳)3㎜弱 (切羽台)4㎜

透かし部分をルーペで見ると正面10時～14時、18時と銅地と言えども時代を感じる風化があり、
切羽台においては、長らく拵えに装着され続けていたせいか、中心孔調整をしたのか時代感アリ。

鉄地や赤銅にくら作鐔が少ない素銅の磨地、品のある本作をこの機会にご検討下さいませ。
（この下の画像に室町時代古正阿弥「素銅」の色味の参考画像も添付。）

桐箱に座布団が付いてお届けとなります。