【所 見】

• 種別：縁頭
• 時代：江戸時代
• 縁寸法：縦）約三・四五センチ弱有之、横）約二・二〇センチ弱有之、高さ）約一・九五センチ弱有之
• 頭寸法：縦）約三・一五センチ弱有之、横）約一・六五センチ弱有之、高さ）約一・〇〇センチ弱有之
• 備考：落とし込み縁頭桐箱附帯

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【特 徴】

金烏（きんう）とは「日に鳥がいる」という伝承に見られる想像上の鴉（からす）のことをいう。古代中国では「陽烏」「黒烏」「赤烏」とも称される。太陽の異名としても古くから用いられており対となる月には玉兎（ぎょくと）等がある。日本神話では神武天皇を案内したと記述されている八咫烏（やたがらす）に「天照大神が遣わした」という点から金烏と共通する「太陽と鴉」の結びつきが見られ同一視されている。本作は貴重な薩摩拵の鉄地縁頭で縁金具に八咫烏と雲を頭金具に太陽と雲を高肉彫りで見事に意匠している。薩摩拵の掟通り材質は鍛えの良い鉄地で腰が極めて高い姿形をしており薩摩拵を飾る目的で製作された一作で作者は薩摩よりも後藤辺りを彷彿とさせる。揃いの刀装具が鐔は菊水紋図目貫は玉兎であることから「七生滅賊（しちしょうめつぞく）」を誓い義に殉じた大楠公（楠正成公）を想い誂えた金具であろう。幕末の勤皇思想を抱いた薩摩藩士がいかにも好みそうな無骨ながらも力強い一作である。貴重な文化財として手入れ・保存が出来る御方のみご参加下さい。

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【画 像】