時代・瀬戸取手肩衝茶入 銘「引貯後」になります。 17世紀初頭の江戸初期に製作された本物保証品になります。 面取手は、瀬戸茶入の手分けの一で、二代藤四郎基通の作と総称される真中古窯の一手で、『茶器弁玉集』に「覆底ニ面ヲ取物也」とあり、文字通り肩が面取られたものをいいます。 江戸時代前期の登窯Ⅱ期（1624-1655）に焼かれたものとみられ、大きく張り出した肩が裾に向けてすぼまっていく緊張感のあるシルエットが特徴的です。土味を感じる火色を移したかのような胎土に、色のむらが味わい深く光沢のある柿金気色釉に、美しい景色を呈する黒飴釉をかけて景色をなしています。 内箱甲書は、大名茶人として知られる土屋政直の筆で、「面取手 引貯 後」とあります。「引貯」は土屋家が所蔵していた名物茶入の一つで、大振りな姿から茶を保存するための容器とされていました。「引貯 後」とあることから、名物の「引貯」の後継とされた茶入とみられ、土屋家にて所蔵されていたと思われます。 とろりとした潤いのある肌は光を受けると虹色のような輝きを見せ、侘びた佇まいながらも鮮烈な美を宿した逸品です。 外箱には、遠州茶道宗家十二世小堀宗慶宗匠により、極めがなされてます。 かの土屋相州が所持していた茶入ですから、茶会などでお使いいただける逸品です。茶会の目玉道具になること間違いございません。 ◆土屋政直(1641－1722) 江戸時代前期-中期の大名。寛永18(1641)年2月5日生まれ。土屋数直の長男。延宝7(1679)年常陸土浦藩主土屋家2代となる。天和2(1682)年駿河田中へ転封。大坂城代、京都所司代などをつとめ、貞享4(1687)年老中にすすみ、ふたたび土浦藩主となった。大名茶人として知られ、その所蔵品は土屋蔵帳として知られる。享保7(1722)年11月16日死去。82歳。 〔内箱甲書〕 面取手  引貯後 〔箱裏書〕 内箱蓋表之文字 土屋相州筆跡と 見申候    宗慶(花押) 寸法 高さ7.2ｃｍ 胴径10ｃｍ ※口共直しがございます。